私…バカだ…。




晴くんは、実は思ってたような悪い人じゃないんじゃないかっなんて、
思った私がバカだった。




信じた私が… 本当にバカ。





自分に対しての呆れと、悔しさが
涙になって頬をつたる。




階段を一目散に駆け下りて、
角を曲がった。その時…




「仁菜?」




後ろから呼び止められる声に
不意に立ち止まってしまう。




…きっと晴くんだ。




私のこと、仁菜なんて呼ぶ男の子は
晴くんしかいないもん。