「お前ら、ここ何してんだよ」
「あ、いや。ちょっと喋ってて。な?」
「そっ、そうです。」
ペコペコ頭を下げながらも、
私を見てくる2人。
「笠原もか?」
そう先生に聞かれて、
「あ、いや。違います。実験室にノート忘れちゃって。」
だめだ…。
もう今すぐにでも泣いちゃいそう。
涙をギュッとこらえながら、
自分のノートを見つけて
それを取ると、
「ごめんなさい!!」
それだけ言って、
一目散にその場から逃げた。
「笠原さん!」
実験室の方から
男の子の声が聞こえたけど、
そんなの無視して、
とにかく一人になれる場所を探して走った。

