そして、終礼が終わった直後。
誰よりも先に教室を飛び出して、駅までフルダッシュ。
徒歩15分の距離を全力で走って、
駅に着いた頃には、もうくたくた。
この時間なら、普通に歩いて来てる人より一本早い電車に乗れる。
自販機で水を買って、丁度いいタイミングで来た電車に乗り込んだ。
空いていた2人がけのシートに座って水を飲んだ。その時。
「よっこいせ。」
!!!!?
隣に座った人物を見て、思わず水を吹き出しそうになった。
「走って帰りたいなら先に言えよ」
隣に座ってきたのは、紛れもなく片桐くん。
「ど、どうして!!?」
「仁菜がダッシュで教室出てくから、追いかけてきた」
サラッと涼しな顔で言う片桐くんは、
息もまだ整ってなくて、きっと顔も真っ赤な私と同じ距離を走ってきたとは思えないほど。

