「で、晴は?仲良くできてるの?えっと名前は…」
「仁菜。笠原仁菜。」
「そうそう!仁菜ちゃんと!」
やっと思い出した!と、
スッキリした顔で聞いてくる姉ちゃん。
「今日一緒に帰った」
「本当!!!?よかったね晴!」
手を掴まれて、
ブンブン上下に振ってくる。
「でもよくわかんねぇの。あいつ笑ったら嬉しいし、もっと喜ばせたいとか思うけど、こんなこと思ったの初めてだし」
姉ちゃんは、
黙って俺の話を聞いてくれている。
「なんでこんなことあいつに思うのかもさっぱり。」
無意識に体は動くし、
最近マジでおかしい。
「バカか晴。それはその仁菜って子のことが…「あーーーー!!!だめだめ」
大翔が何か言おうとするのを、
姉ちゃんが無理やし口を押さえて阻止する。
もごもごともがく大翔を抱えて、
じゃ、そろそろ帰るね。
と慌ただしく帰っていった。
なんだよ。あの親子…。
そう思いながらも、
どこか心が温かくなった。

