嘘つき男子の愛し方






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あの後、特に何もせずに
仁菜を家まで送った。




ほんとに何事もなく普通に。




まあ、仁菜は平気なふりして
絶対動揺してたけどな…。





そして今。




「なんだよ、晴。ずっと黙ってるし、陰気臭ぇーーー。」




「うるせ。チビは黙ってろ」




「チビじゃねぇし!!!」




そう言いながら、
ポカポカと俺を叩いてくる。




「大翔ー。晴悩んでるんだから、そっとしておいてあげて」




「なに悩んでんだよ?俺が聞いてやってもいいぜ!」




えへん。と、偉そうに腰に手を回しながら言うのは俺の甥っ子の大翔(ひろと)。



家に帰ってきたら、
姉ちゃんと一緒に遊びに来ていた。




まだ5歳になったばかりのくせして、
すげぇ生意気なんだよな…。




「なんだー、もしかして女とか?」




大翔はニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。




本当に5歳の保育園児かよ。こいつ…。