「仁菜、今日なんか用事ある?」
「ううん。ないけど…」
突然そう聞かれて、
つい何も考えないで本当のことを言ってしまった。
「じゃ、いいよな。ちょっと俺に付き合って」
そう言うと、
駅とは違う方向へと歩いていく。
「ちょ、どこいくの!?」
「いいとこ」
いっ、いいとこ!?
連れて行かれるがままに、
片桐くんについて行くと…
そこはどこかお城のような佇まいの建物がたくさん並んでる場所…
って、ここ…ホテル街!!!!?
その中をずんずん歩いていく片桐くん。
「ちょ!待って待って!!!」
これ、やばいやつだよ…。
ちょっと笑顔に見とれたからって、
私のバカーー!!!!

