嘘つき男子の愛し方






「違う違う!確かに、優しくていい人だけど私はそんなことないよ!」




全力で否定してくる仁菜。




「そ、そっか」




仁菜の言っていることが本当なら、
…よかった。




こいつ、嘘つくの苦手そうだし…






…って、おい。




なにがよかった…だ?




内心、物凄く安心している
自分に気づいた。




わけわかんね。




最近、こんなことばかりだ。




仁菜のことになると、
自分自身何がしたいかとか
何考えてるかとか、わからなくなる。




でも、




「仁菜。今日一緒に帰らねぇ?」





もっと近くにいたいのは、確か。