「まぁ。あたしだったら、ささっと逃げて帰るかな」
「だよね!!ダッシュで帰ろう!冬華!」
「今日は無理。放課後デートだから」
ガーーーーーン。
キッパリ断られてしまった…。
そう。冬華には大学生の彼氏がいるもんねー
しかも学校の先生目指していて、頭もいいんだとか…。
「羨ましい限りだよー。」
私が呟くと、お弁当を食べ終わった冬華が覗き込んできた。
「ちょ、なに冬華!それ片桐くん思い出しちゃうからやめてよっ」
私がそう言うと、ニヤーっと笑みを浮かべる。
「な、なに!?」
「仁菜も恋、すればいいのになーって思っただけですー」
「もー、自分が余裕だからって!!」
「ごめんごめん」
恋してみたい気持ちはないとは言えないけど、
こんな私を好きになってくれる人なんているのかな…?

