「なあ、笠原さんは好きなやつとかいるの？」
「えっ…！！！？」
あまりにもいきなりすぎる質問に、
ちょっと動揺する。
それを見て、笑ってくる松浦くん。
失礼だなぁ。そう思いながらも
「そんな人、いないよ！」
と答えた。
すると、松浦くんは聞こえるか聞こえないかくらいの声でそっか。と呟いて、
それっきり黙ってしまった。
少しして、
静かな空気に耐えられなくなった私は、
松浦くんの方を見ながら
「松浦くん…？」
と、呼びかけると、
少しハッとしたかのような素振りを見せた後
「俺は、好きな人いるんだけどさ…」
ポツリと松浦くんが呟いた。
