嘘つき男子の愛し方





結局、その日はほぼ何もなく終わった。




特に喋る事もあまりなくて、
唯一聞かれたのは、好きな食べ物と色。




ちゃんと無視しないで答えたけど、
どうして食べ物と色なんだろう?






ーーそんなこと思いながら、今




「ケホッ、ケホッ!…んだよここ。ホコリだらけじゃん」




たまたま今日、日直が同じだった松浦くんと担任の杉山の頼みで数学準備室の片付けをしています。




「本当。それに準備室なんて生徒入れていいのかな?」




「さぁー? ごめんね。笠原さん。俺のためなんかに残ってもらっちゃって」




「いや!それは全然!私も日直だし、昨日のお礼もあるし」




私は、前に他の子の日直変わったことあったから帰っていいと言われたんだけど、




私が帰っちゃうと松浦くんが1人ですることになっちゃうし




昨日の恩返し。
という形で手伝っています。




それにしても、私たちの担任杉山は、よく生徒を雑用に使うことで有名だけど、
こんなことまでさせるなんて…。