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「そもそもね、何が楽しいのかな?私なんかの相手して」
「さぁ?ってか寒いし…」
「ごめんってばー。」
お昼休み。
誘ってくる片桐くんから逃げるために、ここ数日あまり人の来ない校舎裏のベンチでお昼を食べている。
人は来ないんだけど、日陰でちょっと肌寒い…
「さっきも、強制的に一緒に帰るとか約束させられちゃったんだけど、絶対帰らないんだから!」
そう言いながら、フォークでお弁当のタコウインナーを刺してやる。
「そう。」
「冬華ぁ。私これでも真剣に悩んでるんだよ〜」
「うん。」
興味なさげに私の話を聞いているのは、早見冬華(はやみふゆか)
同じクラスの、中学の時からの親友で
なんでも話せる存在。
綺麗な黒のロングに、パッツン前髪がよく似合ってる大人っぽい冬華は、考え方もサッパリしてて、
なんでもくよくよ悩んでしまう私とは正反対。

