「まさか俺、こんなことにまでなるとは思ってもなかった。笠原さん、泣いてたし随分怖い思いさせちまったし」
仁菜が泣いてた…?
それを祐大が慰めたのか?
拭ってやったのか?
「晴、聞いてるか?もう笠原さんに近づくのやめよう。また岩谷に何かされるかもしれねぇし」
仁菜に近づくのをやめる?
そんなこと、もう有り得ない。
桃や他な女に何かされるって言うなら、
それなら…
「それなら、俺が守ってやる。お前じゃなくて、俺が。」
「は?」
「罰ゲームなんか、もうどうでもいい。」
俺がそう言うと、驚いた顔をする祐大。
「それ本気で言ってんの?晴。」
「当たり前」
ただ、
女に拒絶されたのは仁菜が初めてで、
どうしたら拒絶されないのか
あいつの心の中に入れるのか
それが知りたい。
「あいつのことがもっと知りたい」
これが、俺の今の正直な気持ち。

