次の日。 いつもと同じで、学校に近づくにつれて周りに増えていく女たちを 昨日姉ちゃんに言われたみたいに、 相手にしないで教室に入る。 女にフラフラしない。 けど優しく。 相手にしないのは、俺にしては優しく断ってるつもりだ。 声あげて蹴散らすよりマシだろ。 教室に入ると、今日は俺より先に来ていたらしい仁菜が視界に入る。 「仁菜。おは…」 いけね。 つい無意識のうちに、仁菜の肩に触れようとしていた手を引っ込める。 触らない。触らない。 そう自分に言い聞かせる。