「晴は。あたしを抱きながら、仁菜って呼んだのよ!」
「…え?」
片桐くんが。私の名前を呼んだ…?
「言ったよね。タダじゃおかないって」
どこか泣きそうにも聞こえる声で岩谷さんが言うと、同時に体育倉庫の中から出てきたのは3人の男子生徒。
「好きにしちゃっていいから」
それだけ言うと、去って行く岩谷さんに
「ちょっと!これどう言うこと!??」
そう叫んでも、無視されて。
「桃より、今はこっちだろ?」
そう言われて、
腕を掴まれて引っ張られる。
「名前なんだっけ?えっと〜…。にかちゃん?」
「違います。仁菜です!!!」
「そうそう。俺らと楽しくしようぜ?」
…なんて、
言い返してる場合じゃなかった!

