チュッと軽いリップ音と共に離れた唇。
「俺は仁菜といれるなら、何でもいいしどこでもいい。これ以上言ったらまた口塞ぐからな?」
さっきよりも真っ赤になっている仁菜に、鼻が触れてしまいそうなほど顔を近づけたまま言うと、
さらに顔を赤くしながらも、
仁菜は小さく頷いた。
…とはいえ、マジでこの状態たまんねぇ。
一度キスすると、もう癖になりそうで
「なあ、その風邪…全部俺がもらってやろうか?」
さっき触れたばかりの柔らかい唇が、
火照った顔が、潤んだ目が、
仁菜の全てが、俺を誘惑する。
「ちょっ…、待って晴く…」
もう一度、
今度はゆっくり仁菜に顔を近づけた
…その時
「晴ー? 帰ってたん……だ…」
ガチャリと開いた部屋のドア。
その声に慌てて仁菜から離れてドアの方を見ると、そこに立っているのは紛れもなく、俺の姉ちゃん。
お互いに、数秒間の沈黙が流れた。

