わりとすぐに自販機を見つけて、
スポーツドリンクを買って仁菜の元へ戻ると、
「…っ、仁菜!?」
さっきよりもぐったりと、ベンチに横になる姿が見えて、慌てて駆け寄った。
「おい、仁菜!大丈夫か?」
名前を呼びながら軽く体を揺すっても、うんともすんとも返事がない。
仁菜の目は閉じられていて、顔は赤くなっている。
苦しいのか少し開いた口から、スースーと規則正しい吐息が聞こえた。
…よかった。寝てるだけか。
意識不明とか、なんか悪い病気だったら…なんて考えすぎだつーの、俺。
焦ってた気持ちを落ち着かせて、
これからどうするべきか考えた。
仁菜は当分起きなさそうだし…
とりあえず、ちゃんとしたところで寝かせた方がいい。
…てなわけで、
仁菜の家より俺の家の方が近いし、
まだちゃんと挨拶もしてないのに、眠ってる仁菜をおぶって仁菜の家まで行くのもどうかと思って
俺の家に仁菜を連れてきた。

