ーーーーー
「……でさ、凄かったよな。って、仁菜?聞いてる?」
「っふぇ!?あ、ごめん。ボーッとしてた」
「おいおい。大丈夫かよ?」
「う、うん。大丈夫大丈夫〜」
映画を観終わった後。
晴くんは凄い面白かったって楽しそうに話してるけど、私には映画の内容どころじゃなかった。
座席に座った途端、もう動けないんじゃないかってくらいの怠さに襲われて、
その後にガンガンと響く頭痛。
あんなに寒かった寒気も何処へやら。
暖房と厚着のせいか、ぐんぐん体温も上がっていく感覚に襲われ、映画の内容なんてほぼ覚えてない。
「仁菜!?お前本当に大丈夫か…って、おいっ!!?」
フラッ〜と体がふらついて、晴くんにそれを支えられた。
「は…っ!? まさか仁菜…!」
「んぅ…!?」
両方のほっぺを晴くんに包まれて、
そのままコツンッと私のおでこに晴くんのおでこがくっついた。