嘘つき男子の愛し方






「晴くん!おまたせ!!」





いつもみたいに思うように動かない体を、無理やり動かして駆け寄った。





「仁菜。おはよ」





「おはよう!」





目の前にいる制服じゃない晴くんは、まだやっぱり新鮮で、寒かった体が少し暑くなった気がした。





「じゃあ早速行くか。」





「…ぁ、」





自然に晴くん手を取られて、手が繋がる。





そのまま何ともないような素振りで歩き出す晴くんに、なんだか1人でドキドキしてる気分。





「…あ、あのさ仁菜」




そんなことを考えてると、
突然パタリと足を止めた晴くん。





後ろから手を引かれる感じでついて行っていた私は、反動で晴くんの背中に突撃してしまった。