黙って私を見ながら聞いていてくれる片桐くんに、言葉を続ける。
「一昨日、テストが41点になった時、早く片桐くんに伝えたくてたまらなかった。片桐くんと1日過ごせること、すごく楽しみだったから」
私がそう言うと、片桐くんの目が少し見開かれたように見えた。
「今日の打ち上げで片桐くんに会えると思ってたのに、片桐くん来てなくて…。気づいたらカラオケ飛び出してここまで来ちゃいました。
最近ずっと考えちゃうのは片桐くんのことばっかで、今日も片桐くんに早く会いたくて、側にいたくて」
「頭の中が、もう片桐くんでいっぱいなの!」
私の想い、どうか片桐くんに届いて!
そう願いを込めて、深く深呼吸をした。

