昔振った女が今更なにを… とんだ厄介者だな。なんて思いながらもっと近づくと、 「は…?」 顔はうずくまっていてよく見えないけど 確かにわかる。…仁菜だ。 …って、 なんでこいつがこんなとこにいんだよ!? 「あ、片桐くんっ」 俺の声に反応して顔を上げたのは、やっぱり仁菜だった。 「片桐くん!私ねっ!」 「待って」 勢いよく立ち上がって何か言おうとする仁菜の言葉を塞いで、腕を掴んだ。