そんな優しさを感じて、最近緩みがちな涙腺がまた緩んでくる。 「ちょ、泣くなって。そんな顔されたら背中押しにくくなんだろ。」 ちょっと慌てた様子で、私の背中を軽く押してくれた。 「今から晴んとこ行くんだろ。仁菜は笑ってんのが1番可愛いんだから、笑え!」 「…っ、うん!ありがと祐大くん!」 溢れそうだった涙をこらえながら、駅に向かって走り出した。 はやく。はやく。 片桐くんに会えますように。