そうと気づけば、もういてもたってもいられなかった。
今すぐ片桐くんに会って、
気持ちを伝えたい。
あなたが好きですって…。
頭の中は、もうただそれだけ。
今日はクリスマスイブ。片桐くんの誕生日。
大切な日だからこそ、片桐くんの側にいたい。
片桐くんが私に好きだって言ってくれた言葉。
それが本気なのか嘘なのかなんて、
そんなこともう気にならない。
「冬華ごめん!私、片桐くんのとこに行ってくる!!」
「…えっ!?ちょっと、仁菜っ!?!?」
一方的に、冬華にそう言い残して、カラオケ代だけ机に置いて部屋を飛び出した。

