でも、あの時は本当に頭ん中が真っ白だった。 ただ無我夢中で。 それに、仁菜が待って。とか、 また心が揺るぎそうなこと言うから 必死で期待する気持ちを押さえ込んだ。 …あーあ。 仁菜のことちゃんと諦められるかな、俺。 いっそのこと、顔も見たくなくなるくらいの嫌な女になってくれれば… いや、それはダメか。