嘘つき男子の愛し方






少し走ったところで足を止めた。





傘なんか置いてくるから
髪も制服も、靴も。ビショビショだ…。





どうせ、祐大が傘持ってたし
2人で相合傘でもするつもりだったんだろうに。




あんな傘置いてったって意味ねぇのによ。






祐大に、黙って抱かれている仁菜の姿が頭の中に浮かぶ。





きっと、あれが仁菜の答えだろう。






「クソッ…」





ーーガコン!!!





近くにあったゴミ箱を怒り任せに蹴り飛ばした。






俺は最低だ…。