嘘つき男子の愛し方






「痛てて…。」




両手がワークで塞がっていたため、
手で支えることも出来ず、




散らばったワークの上に被さるような形で転けてしまった。




「大丈夫?」




突然、背後から聞こえた声に
無意識のうちに振りかえる。




そこに立っているのは
少し小柄な可愛らしい女の子。




「あ、うん。大丈夫!
何かに躓いちゃったみたいで。」




どうぞ。と、差し伸べてくれている手を掴もうとしたその時。





「なんて、するわけないじゃん」




さっきまでの、どこかふわふわした可愛らしい声とは正反対の、
冷たい声が響いた。