…そうとなれば、もう言いたい放題。 何か言いたげにしている仁菜を口で押しのけて、怒鳴りつけた。 怒りに任せて、持っていたテストもクシャクシャに丸めて潰して捨てた。 それを見た仁菜は、キッと俺を睨んだんだ…。涙を流しながら。 そして俺はその顔を見て、 やっと我に帰った。 情けねぇ…。 自分の思い通りにならないことに腹を立てて、仁菜を泣かせて。 持っていた傘をその場に置いて、 俺は走ってその場から逃げた。 待って。と仁菜の声が聞こえてきたけど それも無視して。