嘘つき男子の愛し方





そう言えば、今日仁菜が隣の席の女と『今日って雨降るの〜?傘持ってきてないよー』なんて喋ってたのを思い出した。





俺のバカ。なんであん時貸してやんなかったんだよ…





自分の行動に呆れながらも、
まだ今なら引き返せば仁菜に会えるかもしれねぇ。と、来た道を走って引き返す。





仁菜らしき人は見当たらないまま、学校まで戻ってきた。





仁菜も俺も、いつも駅まで歩いている道は同じだし、間違えてすれ違ってることもないだろうから、きっと仁菜はまだ学校の中だ。





仁菜が雨ざらしになっていないと思うと、少し安心した。