「テスト、41点になってんじゃん。良かったな。」
ちょうど、足元に落ちていたびしょ濡れのテストを拾ってそう言う片桐くんの声には、全く感情が込められていないように聞こえる。
「う、うん!だから、早く片桐くんに伝えたくてっ、それで…「は?意味ねぇよ!!!」
「…っ。」
声を荒げて怒鳴る片桐くんに、少しビクッとする。
だってこんな片桐くん、初めてだ…。
「こんなもん、いまさら意味ねぇよ。今のお前らが答えだろ?」
お前らって、私と祐大くん?
それってどういう意味?
…そう聞き返したいのに、声が出ない。
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