でも、
そんなことを意識してるのはどうやら私だけで、
片桐くんはなんとも無さそうな顔で消しゴムを拾い、また私の向かい側の席に座った。
…私の方をじっと見たまま。
「あ、あの…片桐くん…??」
黙って見つめられているこの空気。
…耐えられない。
そう思って問いかけてみても、
黙って私の方を見たままの片桐くん。
もうだめ。勉強に集中しないと!
…とは思うものの、やっぱり向かい側から視線を感じて全く頭が働かない。
せめて何か言ってください!!
なんて私の叫びが届いたのか、
やっと片桐くんが口を開いた。
「なあ…。もしさ、次のテストで欠点逃れられたら」