確かに、私に告白してくれたあの頃ぐらいからは、女の子と連んでいる姿をきっぱりと言っていいほど見なくなった。





むしろ逆に、冷たくなった。素っ気ない。
…なんて噂もあるらしい。(冬華情報)





女の子からは近寄ってきても、
適当にあしらってるみたいな…。





あんなに、女の子なら来るもの拒まずだった片桐くんが、まるで別人みたい。





でも、私に対してはすごく優しくしてくれる。




…今だってそう。





「仁菜、解けた?」





「あ、う…うん。」





「……。今ぼーっとしてたろ」





そう言いながら、私をじっと見つめてくる視線に、またドキドキする。





前に、数学の授業で担任に笠原は成績やばいから次の期末テスト頑張らないと…




みたいなことを言われていたのを片桐くんは聞いてたみたいで、





突然、俺が教えてやろうか?
なんて言われた時はびっくりしたけど、
お言葉に甘えて、ここ数日の放課後は毎日数学を教えてもらっている。