仁菜は目をパチパチさせながら
黙ったまま。
ーーーそして少し沈黙が続いた後、
「わ、私!着替えてこなくちゃ!!今日は本当にありがとうっ。じゃあ!」
急に口を開いたかと思えば、
噛みそうなほど早口にそう言って教室から出て行った。
仁菜が出て行ったドアから目が反らせないままで、
好きだ。とか、まさかこんなにもストレートに口から出てくるとは…
…なんて俺自身に驚きながら、
ひとつため息をついた。
まあ、こんなとこでボケッとしてても意味ねぇし俺も早く制服着替えて帰ろう。
そう思って制服とカバンを持って教室から出ようとした矢先。
ちょうど教室に入ってきたのは、
制服に着替え終わった祐大。

