仁菜と教室に戻ると、
慌ただしく片付けをしている真っ最中。
そんな光景を見た仁菜は、
俺が掴んでいた手を無意識にか、割と強い力で振り切って片付けの輪に入っていく。
そして、俺の隣を仁菜が離れたのを見計らってか、
仁菜に代わり、周りに集まってきたのはクラスの女子。
「晴〜!あたし今日まだ晴と写真撮れてない〜」
「あたしもー!執事服、超似合ってるしほんと最高」
ベタベタ寄ってくる女たちは、
本当うざい。
…なんて思ってるけど、前までは来るもの拒まず。むしろ可愛い子は大歓迎だったのに、我ながらすげぇ変わり様。
つうか、執事服姿が最高?
俺は逆に最悪だっての。早く脱いでやるこんなもん。
とは思いつつも、制服が隠されてる以上、脱ぎたくても脱ぐこと出来ねぇし。
「お前ら、俺の制服どこやったんだよ!」