その日の放課後。
2人で帰ろうと誘ってくる片桐くんを断る理由として、
今日の日直の係だった子の仕事を代わりに引き受けることにした。
日直の仕事なんて、面倒だし本当はやりたくないんだけど、
日直の仕事と言うと、片桐くんは何も言わずに去って行ったから良かった。
無駄に多い日直の仕事を終わらせた時には、辺りは少し暗くなってきていた。
「完璧だな!サンキュー笠原。気ぃつけて帰れよ〜」
担任に終わらせた書類を提出して、
靴箱へ向かおうと廊下の曲がり角を曲がると
「遅い。」
そこに立っているのは、
とっくに帰ったはずの片桐くん。
「片桐くん!?
先に帰ったんじゃなかったの?」
「先帰るなんか言うかよ。待ってた」
そう言いながら、伸びをする片桐くん。
確かに、何も言わずに行っちゃったけど、
てっきり、
すぐに帰っちゃったんだと思ってた。

