校舎裏に着くと、
息が切れ切れの私は、そのまま近くにあったベンチに腰掛ける。
「なんか、今日は逃げてばっかだな。ごめんな」
結構走ったのに、全然息が上がっていない片桐くんが、申し訳なさそうにそう言った。
「大っ丈夫…。それより片桐くんは?さっきの女の子たち、もう大丈夫なの?」
「あ、あいつら。仁菜の腕が離れて、仁菜のこと見えなくなったからさ、怒鳴って無理やり道開かせた。」
「え、あ。そっ、そっか」
怒鳴ったって…なんか可哀想な気もするけど、こうやって私のところへすぐに来てくれたことは、…少し嬉しい。
「さて。どうするかな。執事とメイドじゃ嫌でも目立つし…」
私の隣に座って、少し考えるような素振りを見せた後
「よし!これだな。」
いきなり立ち上がったと思えば、
片桐くんはニヤリと笑って私を見つめる。

