嘘つき男子の愛し方






「…てめぇ。なにすんだ!」





「片桐くん!!!!」





側にいた男の声と、仁菜の声がほぼ同時に聞こえる。





掴みかかろうとして来た男を避けつつ、
殴りかかってきた男を、掴んでいた男を投げ倒して盾にして阻止した。





「汚ねえ手でこいつに触れんじゃねぇ。」





ぶつかり合って、もみくちゃになっている男たちにそれだけ言って、仁菜の腕を掴んだ。





「お前ももう戻れ。もう1時過ぎてるから自由時間じゃねぇの?」





もう1人、仁菜と一緒にいたクラスの女に声をかけると、少し照れた様子で礼を言って教室に戻った。





「仁菜。行くぞ。」





仁菜にそれだけ言うと、
腕を引っ張って、とりあえず落ち着こうと人の少ない校舎の方へ移動した。