焦りながらも、周りを見渡すと、
見つけた仁菜は、なぜかメイド姿で
クラスの女子と2人。
あんなに着ないって言い張ってたのに。
…と思いつつ、仁菜たちの前にいる男に目をやる。
他校の制服を着た男が3人。
1人は仁菜の腕を掴んで引っ張っている。
「…ったく。あんな服着てるからだ」
誰にも聞こえないような声で呟きながら、仁菜たちの方へ早足で近づいた。
「お客様〜、申し訳ありません。」
そう声をかけながら、仁菜の腕を掴んでいる男の腕を逆に俺が掴み、仁菜の手を振り落とさせる。
「いっいでででで」
そのまま腕の関節ごと逆方向へ捻じ曲げる。
「うちのメイド達に、不純な行為はおやめ下さい」
痛そうに顔を歪める男に、
さっきまで苦痛に耐えながら鍛えた営業スマイルをお見舞いしてやった。

