ーーそして、ついに待ちに待った1時。
店の当番終わったら即座に脱いでやろうと思っていたこの執事服。
脱ぐと言ったら女とクラスの男にまで反対されて、
それでも拒否ると、挙げ句の果てには制服を隠されてしまった。
1時を過ぎても戻ってこない仁菜を探すため、仕方なく執事服を着たまま教室を出た。
…にしても、
目立つな。この格好。
さっきから見てくる女たち。
俺がいかにも急いでるからか、声はかけてこないものの、すげぇいろんな奴の視線感じる。
…たく。どこだよ仁菜。
俺がわざわざ走り回って探してやるなんて、お前以外にぜってーしねぇんだからな。
なんて心の中で思いつつ、中庭を通り過ぎようとした時。
「離してください!!」
耳に入ったのは
悲鳴にも近い女の声。
「仁菜?」
聞き間違えることなんてない。
それは確かに仁菜の声。

