他の作業をしていたクラスのみんなも
さっきの声で作業を止めて、少しの間視線が私の元へ向けられた。
あちゃー。
自分でもびっくりして両手で口を塞いでも、もう遅い。
「え、ちょっと。まさか…本当なの?」
びっくりした顔で私を見てくる冬華に、口を塞いだまま頷いた。
「え、うっそ!なんで!?」
騒ぎ出す冬華に、後でゆっくり話すから。と一旦落ち着いてもらって、その場はなんとかやり過ごした。
その日の放課後。
学校の近くのファーストフードのお店で、
片桐くんとのことを1から10まで説明させられた。
片桐くんなんて絶対だめ!
今すぐ離れたほうがいいよ。
…なんて言うかなって想像してたのとは反対に、
冬華からは片桐くんのことを信じてみれば?…なんてアドバイスをもらった。
その他、恋愛の先輩である冬華の話とか、クラスの噂とか、他愛ない話をして
家が近所の冬華と、近くの公園の前で別れた。

