そして目があったまま、どんどん私の方へ近づいてくる。
「仁菜。ちょっといい?」
思った通り。立ち止まったのは私たちが使っている机の前で、
声をかけられて驚いてるのは私もだけど、きっと冬華も同じだろうな。
私は片桐くんと目があったまま、首をゆっくり縦に振った。
「文化祭の自由時間。一緒に回らねぇ?」
「…え?」
予想もしなかったお誘いに、少しびっくりした。
「あー、つうか強制。これ強制だから。」
少し目線をそらしながら、
今度はそういう片桐くん。
「う、うん。よろしくお願いします」
「え?まじ?」
そらしていた目線がまた私の方を見て、
今度は肩を掴まれた。

