嘘つき男子の愛し方






ーーーー次の日、





朝、教室に入ると丁度片桐くんが私の方へ歩いてきていて、




何かされるんじゃないか。なんて少し身構えたものの





「おはよ」





そう言うだけで、私の横をスッと通り過ぎていった。




「おは…よう」




何テンポも遅れてから返した挨拶は
片桐くんの耳に届いたかはわからない。





その後も、昨日『覚悟しろ』なんて言われちゃったからには、なにかされるんじゃないか…。




…なんて警戒していたものの、話しかけられることすらないままHRが始まった。





そろそろ近づいてきた私たちの学校の2学期最後の大イベント、文化祭。




ミスコンとか大規模な模擬店とか部活の出し物とか…





生徒以外の人も来校できて、
他校の生徒とか地域の子供達なんかで賑わうんだ。





今日はその文化祭の準備をすることになった。




前から決まっていた、クラスの出し物はカフェ。




教卓の近くでは、ウェイターの制服としてメイド服と執事服を着ることになった生徒たちが賑わっているけど、





メイド服を断った冬華と私は、教室の端っこの方でメニューを作ることになった。