嘘つき男子の愛し方






「えっと、それで…。い、今の、こっ告白…のことで…っ、凄く嬉しいんだけど、でも…「待て」




『でも』





これは断られるパターンだ。
と予測した俺は、瞬時に止めに入る。





「返事。まだいいから」





「え、でも…」





「絶対。俺のこと好きにならせてやる」





俺がそう言うと、仁菜はただ目をパチパチさせるだけ。





「他の女で遊ぶのもやめる。仁菜しかいらねぇ。だから…」





掴んだままでいた仁菜の腕を、痛くない程度の力で体ごと引き寄せる。






「覚悟しろよ。仁菜」






顔を近づけて、近くで仁菜の目を見たまま告げた。





固まっている仁菜の腕をそっと放して、床に置いたままだった自分の鞄を手に取る。






「あ…。ちょ、片桐くん!」





「じゃ、また明日な」







待って。と聞こえた仁菜の声を無視して、走って教室を飛び出した。