「ちょ、だーーかーーら、覗き込むのやめてってば!!!!」
顔を片桐くんじゃない方に
思いっきり逸らした。
いくら散々な思いをさせられていても、
片桐くんの顔は本当に整ってて
そんな人に覗き込まれちゃったら
ド…ドキドキってか、
ほんのちょっとだけ、
気持ちが高鳴っちゃうのも仕方ないんだ。
でも。
不意打ちの覗き込みは本当に避けたい。
「おもしれぇ奴」
フッと笑ってから、行こうぜと
さりげなく手を握って歩いていく。
振り払おうしても離してはもらえず、
これじゃ、
また女の子たちに睨まれるよ…。
何にもわかってすらいない
片桐くんが憎い。
いや、実はわかってるのかも。
自分と近づくことによって
私が女の子達に目をつけられるのは当然。
なんて、新種のいじめの方法
とかだったらどうしよう…。

