す、好きだ。とか
つい勢いで口から出てしまった。
「あ、あの…」
真っ赤な顔で俺を見てくる仁菜。
「あ、今の…本気…。本気だから!」
言ってしまったものは仕方ない。
この際、好きで突き通してやる。
ーー少しの沈黙の後、
「あの…片桐くん」
「ん、うん」
突然の仁菜の言葉に、
無理やり平常心を保つ俺。
「もしかして…、ずっと話しかけてくれてたのって、謝ろうとしてくれてたの?」
「ん。そう。」
何回も何回も話しかけて、その度にスルーされたもんな。
「罰ゲーム?かなんかのこと、もういいから気にしないで。実は私も、少し楽しかったから」
そう言いながら、控えめに笑った仁菜。

