「ちょっ!?離してよっ」
俺に掴まれた腕をブンブン振り回して、なんとか離そうとする仁菜。
こんな弱え力で、男を振り解けるわけないのに。
そう思いながらも、自分の思いを伝えるべく、口を開く。
「本当は…」
俺がそう言うと、めちゃくちゃに振り回していた腕の動きが止まった。
「本当は、こんな無理やりなこと、したくねぇんだ」
「じゃ、じゃあ。なんで…」
「謝りたかった。ずっと。」
俺がそう言うと、仁菜が小さく息を吸ったように見えた。
「仁菜のこと罰ゲームとか、くだらねぇ遊びの対象にして悪かった」
そう言いながら、仁菜に頭を下げた。
…頭を上げて、仁菜を見ると、
ポカンとした表情を浮かべている。
だけど、
目が合うとすぐに俯いてしまった。
そんな仁菜に、俺は言葉を続ける。

