嘘つき男子の愛し方







ーー帰り道、






家が同じ方向の祐大くんと
一緒に歩いていると、





「一昨日さ、晴と何かあったろ?」





いきなりそんなことを言われて、
バッと反射的に祐大くんを横から見上げた。





「仁菜泣いただろ。目、腫れてたし」





うわー。やっぱ分かっちゃったかあ。





みんなにばれないようにって、
精一杯隠してたつもりだったのに。





なんて誤魔化そうか。
なんて考えていると、





「仁菜。ありがとな。」





「うん?」





また、
いきなり突拍子もなく言う祐大くん。





「俺なんかでよかったら、今度は仁菜の相談いつでも乗るから」





ただし勉強のこと以外な! と付け足されて、2人で笑った。






…次の日、玲子先生が年内いっぱいで急遽退職することになった。ということが、私達生徒に知らされた。





きっと、仲が戻ったんだ。





それは嬉しいけど、




でも祐大くんがすごく心配だった。





けど、案外何もないような感じで、
前みたいに無理に元気に振る舞ってることもなさそうだし安心した。