少しして、涙も収まったのか
祐大くんが体を少し離して、そのまま私を見つめる。
結構近い距離で見つめられて、
ちょっと緊張する。
「仁菜。」
「はっ、はい!?」
いきなり名前を呼ばれて、
びっくりした私の声がひっくり返った。
それを聞いて、
プッと笑い出した祐大くん。
「笑わないでよー。」
「悪い悪い…」
なんて言いながらも、まだ笑ってる。
「ありがとう仁菜。おかげでスッキリした。もう大丈夫!」
ニッと笑うその顔は、
最近ずっと教室で心配していた笑顔とは全くの別物。
私が知っている、元気で明るい祐大くんの笑顔そのもの。

