私がこんなことを先生に聞きに来たのには訳がある。
あの日から、祐大くんの様子がずっと変なんだ。
無理に元気に振る舞ってるような…
クラスのみんな、きっとそのことに気付いているんだろうけど、
玲子先生のこと祐大くんから聞いてるのは私だけだし。
なんとか、力になりたくて
それで直接玲子先生に話を聞きに来た。
少しの沈黙の後、
玲子先生がぽつりと口を開いた。
「私、大学生の時に1年間アメリカに留学して英語の勉強をすることになったの。
その留学先の大学の医学部に通っていたのが彼で、すぐに仲良くなって付き合い始めたんだけど…」
そこまで言うと、先生は少し俯き加減になりながら小さく息を吐いた。
「…1年経って、私の帰国予定日が近づいてきた時、私はずっと彼と一緒にいたかったからアメリカに残りたいって伝えたの。
あなたと一緒に暮らしたいって。」

