腕を掴まれた時も、
壁に追い込まれた時も。





心のどこかで何かを期待してたような
そんな感情があって…





大嫌いなはずなのに。





私…どうかしてる。






そう考えていた時、





「笠原さん!待たせちゃってごめんなさい」





教室のドアが開いて、
玲子先生が入ってきた。





「いいえ。大丈夫です」





玲子先生は、私が座っている席の前の席に座って、体を私の方へと向けた。





「それで、個別に話したいことって…何?」





そう聞かれて、少し深呼吸してから





「この前、先生と男の人がカフェで話してるの、見ました。」





そう言うと、少し驚いたような素振りをみせた。





「先生とあの男の人は、どんな関係なんですか?」





今度は駄目元で、そう聞いてみる。