「祐大くんになら、いいかもね」
仁菜にそう言われ、
いつか耳に入ってきたやりとりを思い出した。
祐大は、仁菜って呼び捨てで、
仁菜の方は祐大をくん付けで呼んでいた。
祐大はよくて俺は駄目だって?
「…んだよ…。それ」
あいつも、罰ゲームを言い出した立派な共犯者だってのに。
そう考えると、
ますますイライラが募る。
ーーーーードン!
壁に無理やり仁菜を追い込んで、
逃げれないように腕を掴んだ。
「あいつは罰ゲーム考え出した張本人だぞ?お前はそれでも祐大ならいいのかよ?」
「祐大くんは…」
それだけ言うと、
顔を俯かせて黙り込んだ。
祐大は?
祐大はなんだよ?
気持ちが勝手に焦っていく。

