「仁菜…俺さ、「…馴れ馴れしく名前で呼んでこないで」 謝ろうとした言葉は、 そんな仁菜の一言によって遮られた。 「名前で呼ばれるの、嫌なの」 キッと、敵を見る目で俺を睨む。 …なんだよ。 予想もしていなかった言葉に、 また無性にイライラしてくる。 それと同時に、 ある疑問が思い浮かんだ。 「じゃあ、それが祐大なら。名前で呼ばれてもいいのかよ」 俺がそう言うと、仁菜の表情が少し困ったような顔になった …のもほんの一瞬のことで、 またさっきと同じく睨んでくる。